サンダーバードとは?

カナダ·スタンレーパークの
⇓ トーテムポール

カナダ·スタンレーパークのトーテムポールの画像
File:Vancouver (BC, Canada), Stanley Park, Totem poles, Rose Cole Yelton memorial totem pole -- 2022 -- 2036.jpg

Author:Dietmar Rabich
CC BY-SA 4.0

トーテムポールの 由来

トップ画像は、ネイティブアメリカン(北米先住民族)の彫刻柱「トーテムポール」になるが…。

そこには各種族のルーツや経験、伝承を意味する動物などが彫られている。


巨大な鳥(巨鳥)が彫られている場合もあるが、それは祖先の経験が伝承されてきたものだと思ってもいいだろう。

つまり、「祖先たちは当時、リアルタイムで巨大な鳥を見た」と推測できる。

巨大な鳥は「サンダーバード」と呼ばれ、伝承として、トーテムポールに残されてきたということになる。

神話の サンダーバード

神話でのサンダーバードは、「目から稲妻を放ち、翼を羽ばたかせて嵐を起こす」と伝えられているが…。

怪獣映画じゃないのだから、額面どおりに受け取るような話でもないだろう。


鳥類は大型化すれば羽ばたき飛行ではなく、滑空飛行を主とする傾向にある。

身近な例をあげるなら、スズメの羽ばたき飛行と、トビ(トンビ)の滑空飛行のようなものだ。


ただ、滑空飛行するためには、滑空できるような高さにまで上がらなければならない。そのためには、上昇気流が必要だ。

祖先たちが見たサンダーバードは、稲光の嵐が起こす上昇気流が必要なほどに、巨大な鳥だったのだろう。

UMAサンダーバード

北米では巨大な鳥のような生物が目撃され、人を襲う事件さえも報告されることがある。

その個体情報については、広範囲(カナダや全米の複数の州)から目撃されているため、ばらつきはあるが…。

「翼開長約3〜7mにも達する巨大な生物だった」と証言されている。


そのことから、上記の巨大な生物は「ネイティブアメリカン伝承の巨鳥、サンダーバードではないか?」ともいわれるが…。

UMA関係では、文字どおり「ビッグバード」と呼ばれる。


なお、当サイトでは「サンダーバード」と「ビッグバード」を、下記のように差異化している。

»サンダーバード:伝承の巨鳥

 詳細:後述の「サンダーバードの 正体は?

»ビッグバード:正体不明の現代の巨鳥


現代でも寄せられる、正体不明の巨鳥の目撃情報とは、どのようなものがあったのだろうか…。

ビッグバードの目撃情報として、次に書いてみたい。

ビッグバードの 目撃情報

北米最大の現生鳥類
⇓ カリフォルニアコンドル

カリフォルニアコンドルの画像
File:Condors on the Rise (15338155446).jpg

Author:Bureau of Land Management
Public domain

画像「北米最大の現生鳥類 カリフォルニアコンドル」の翼開長は、約3mにも達する。

日本の大型鳥類、トビの翼開長が約150〜160cmになるので、倍ほどもある大きな鳥だ。

だが、さらに大きな鳥が、下記で報告されている。

1868年 米国ミシシッピ州

同州ティッパー郡の小学校の校庭で、8才の少年が巨大なワシに襲われている。

校庭での騒ぎに気づいた教師が表に出たときには、ワシは少年をつかんだまま飛んでいたが…。


教師や児童たちの叫び声に驚いたためだろうか?

ワシは少年を離し、少年は墜落死したと報告されている。

1948年 米国イリノイ州など

この巨鳥は同年4月4日〜5月5日にかけて、広範囲(イリノイ州〜ミズーリ州)で、多くの人々に目撃されている。


»4月4日:元陸軍大佐であるWalter F. Siegmund氏が、「イリノイ州アルトン上空を飛行中に、グライダーぐらいの大きさの鳥を見た」と話している。


»4月10日:Clyde Smith夫妻などが、地上から巨大な鳥を目撃している。

 夫妻によると、「最初は飛行機かと思ったが、翼が羽ばたいているのを見て鳥だとわかった」と話している。


»4月24日:一般市民や警察官などが、地上から巨大な鳥を目撃している。

 市民のEM Coleman氏は、「巨大な鳥の胴体は魚雷と同じぐらいの大きさだった」と話している。

 別の時間と場所で目撃した警察官2人は、「鳥の大きさは小型飛行機以上だった」と話している。


»4月27日:ミズーリ州の航空学校(セントルイス·ランバート国際空港)の教官も目撃しており、この巨大な鳥に関する目撃情報は5月5日まで続いた。

1977年 米国イリノイ州

この事件は、同年7月25日〜11月1日にかけて、イリノイ州に2羽の巨鳥が出現したことから、「イリノイの巨鳥」と呼ばれる。

»7月25日:同州ローガン郡のローンデールという小さな町で、3人の少年たちが、2羽の巨鳥に襲われるという事件が発生している。


 そして、そのうちの1羽が、Marlon Loweという10才の少年をつかんだまま飛ぼうとしたが…。

 少年の悲鳴に気づいた母親が、叫び声をあげながら駆けつけたことによって、巨鳥は少年を離し、飛び去っていった。


 このときの証言によれば、少年は高さ3フィート(約91cm)ほど持ち上げられ、35フィート(約10.6m)ほどを運ばれたという。

 母親が駆けつけることができなかった場合には、どこかへ運び去られていたのだろうか?


»その後約3か月間:多くの人々から目撃されている。

 目撃者の証言によれば、「巨鳥の翼開長は約3m。体色は黒だが、首の周りはリング状に白くなっていた」と話している。

補足 首の周りは白い

ここまでの目撃情報には、北米の現生鳥類最大種カリフォルニアコンドルが、「翼開長約3m」には該当するが…。

上の画像のとおり、カリフォルニアコンドルの首の周りは白くない。


それに、上記の3州は米国南部や中西部であり、カリフォルニアコンドルの生息地である太平洋側とは、かけ離れすぎている。

つまり、目撃情報の「首の周りはリング状に白くなっていた」にも該当しないし、距離的にも無理がありすぎて該当しない。


下の画像のアンデスコンドルなら、翼開長3.2mで、首の周りもリング状に白くなっており、目撃情報と一致するが…。

文字どおり、南米·アンデス山脈に生息するコンドルであり、北米には生息していない。

アンデスコンドル

アンデスコンドルの画像 File:Colca-condor-c03.jpg
Author:Colegota
CC BY-SA 2.5 ES

つまり、「目撃された巨鳥は、現生鳥類のカリフォルニアコンドルやアンデスコンドルの誤認ではない」といえよう。

そのうえで、次の目撃情報を見てみたい。

2002年 米国アラスカ州

»10月15日付けのアンカレッジ·デイリーニュースによると…。

 「トギアク(Togiak)やマノコタック(Manokotak)などの州南西部から、巨鳥の目撃情報が寄せられている」と報道している。

アラスカ州南西部の略図

Togiak,Manokotak,Dillingham
アラスカ州南西部の画像作成:不思議なサイト管理人

 その報道のなかで、あるパイロットは「先週、ディリングハム(Dillingham)から、トギアクへの飛行中に目撃した」と話している。

そして、「鳥の大きさは自分が操縦するセスナ207型(全幅約11m)の片翼ぐらい(約4.2m)あった」と続けている。


管理人

20年以上前の話とはいえ、「21世紀の現代においても巨鳥が目撃され、新聞報道されていたのか!?」と驚いた。

それに、翼開長約4.2mといえば、普通自動車級の大きさとなり、現生鳥類の最大級アンデスコンドル3.2mより1mも大きい。まさしくビッグバードだ。

次では、サンダーバードやビッグバードの正体に迫りたい。

サンダーバードの 正体は?

テラトルニスコンドルの
⇓ イメージ画像

テラトルニスコンドルの画像
テラトルニスコンドル
作成:不思議なサイト管理人

上記では、ビッグバードの正体は、現生鳥類最大級の誤認ではないと書いてきた。

だが、ネイティブアメリカンに伝承される巨鳥、サンダーバードの正体ならわかる。それはテラトルニスコンドルだ。

テラトルニスコンドル

テラトルニス属に分類される2種の総称を「テラトルニスコンドル」と呼び、どちらも翼開長約4mとなる。

模式種はテラトルニス·メリアミとなり、最大種はテラトルニス·ウッドバーネンシスとなるが…。

一般的にはメリアミ種がよく知られている。


» テラトルニス·メリアミ
(T. merriami)
翼開長3.8m、体重10 - 15kg

» テラトルニス·ウッドバーネンシス
(T. woodburnensis)
翼開長4m以上


»分類:鳥類 テラトルニス科 テラトルニス属

»分布域:北米

»絶滅時期:1万2000年前〜1万年前

テラトルニスコンドルを 見た

現生人類は、テラトルニスコンドルをリアルタイムで見ている。

つまり、ネイティブアメリカンに伝承される巨鳥サンダーバードとは、テラトルニスコンドルのことになる。


そのことは、約6万年前に出アフリカをはたした人類が、約2万3000年前〜2万1000年前に、北米に到達したと推測されていることからもわかる。

テラトルニスコンドルの絶滅時期は、1万2000年前〜1万年前だ。

つまり、ネイティブアメリカンの祖先たちは、約1万年間ほどもテラトルニスコンドルと共存していた。

»参考:当サイト「ベーリング陸橋

ビッグバードの 正体は?

⇓ オウギワシ

オウギワシの画像
File:Harpia.jpg

Author:Flaviomgomes
CC BY-SA 3.0

上記のように、巨鳥サンダーバードの正体が、テラトルニスコンドルであることは確かだが…。

現代でも目撃されることのあるUMAビッグバードの正体は、テラトルニスコンドルではない。


その理由は、「約1万年前に絶滅したはずの大型鳥類が、今も生きている!?」とする提唱には、無理がありすぎる。

最強は オウギワシだが

絶滅鳥類のテラトルニスコンドルに、現生鳥類のカリフォルニアコンドルやアンデスコンドル。すべて猛禽類だが…。

「ビッグバードの目撃情報」にあるような、8〜10歳の少年をつかんだまま飛べるような握力もないし、飛翔力もない。


さらにいえば、すべての鳥類が不可能だ。

つかんだまま飛べる重さの目安としては、現生鳥類では最大でも7〜9kgぐらいが限度になる。


その7kgが可能なのはアフリカオオワシであり、9kgが可能なのは画像のオウギワシとなる。

カリフォルニアコンドルやアンデスコンドルでは、無理な重さになるようだ。


オウギワシ

» 英名:Harpy eagle

»雌の翼開長:約2m、体重:7.5kg

 雄よりも、雌のほうが大きい。

» 分布域:中南米

» 食性:動物食(哺乳類や鳥類、爬虫類などを捕食)

 サルやナマケモノ、イグアナなどを木からひきはがし、つかんだまま巣まで運べる強力な翼、脚や指、爪などをもっている。

最下部に、ナマケモノを木からひきはがして、つかんだまま巣へ向かう動画あり。


ただ、オウギワシやアフリカオオワシでは、外見的な特徴が異なるし、距離的にも不可能だ。

そうなると、ビッグバードの正体の候補は、日本にも分布するオオワシになるだろう。

ビッグバードは オオワシ

⇓ オオワシ

オオワシの画像
File:Stellers Sea Eagle with Man.jpg

Author:Paul Stevenson
CC BY 2.0

管理人のような鳥類素人の発想だと、「カリフォルニアコンドルやアンデスコンドルが、イリノイ州などに飛来したのではないか?」と、ついつい思ってしまうが…。

どちらにも無理なようだ。つまり、どちらもビッグバードの正体ではない。先に、そのことについて書いてみたい。

カリフォルニアコンドル

現在は、米国カリフォルニア州だけに生息しているが、20世紀初頭までは太平洋岸に広く分布していた。

太平洋岸…。つまり、飛ぶためには海側からの上昇気流が不可欠であり、内陸部への移動はあり得ない。

ましてや、2800kmほども離れているイリノイ州などに飛来していったとは、まったく考えられない。

アンデスコンドル

飛ぶためには、南米アンデス山脈の強い上昇気流が不可欠なアンデスコンドル。

滑空飛行がほぼ99%を占めるので、上昇気流に乗って、一度も羽ばたかずに172kmを5時間以上滑空した個体もいる。


それだけに、アンデス山脈を離れることは生死にかかわることだろう。

米国イリノイ州などとは、7200km以上も離れている。生死をかけてまで飛来することはない。

大本命は オオワシ

ビッグバードの正体の大本命は、上の画像のオオワシになる。

片翼が画像の途中で切れているが、その部分を想像しながら翼開長を推定すると、2.2〜2.5mぐらいだろうか?


前述の「ビッグバードの目撃情報」での翼開長3〜4mには、及ばないが…。

比較対象物のない空中や、ないにも等しい場所での距離感やサイズ感は、信頼しがたい。


オオワシの翼開長2.5mが、翼開長3〜4mほどに見えたのだろう。

当サイトでは(イリノイの巨鳥の問題点さえ解決できれば)、ビッグバードの正体はオオワシだと思っている。


オオワシ

» 英名:Steller's sea eagle

 日本語にすると、ステラー海ワシ。発見者であるドイツの博物学者、G.W.ステラーの名前を冠している。

参考:当サイト「ステラーカイギュウ

» 翼開長:最大3m、体重:6〜9kg

» 食性:肉食

» 分布域:極東ロシア、日本、韓国など

 極東ロシアで繁殖し、日本や韓国などへは越冬のために飛来する。


西日本にもオオワシ

 管理人の住む京都の隣、滋賀県長浜市の山本山には、今年も雌のオオワシが越冬のために飛来している(2025年1月7日現在)。

 今年で28年連続になるらしく、愛称「山本山のおばあちゃん」と呼び親しまれている。


 西日本では滋賀県のほか、広島県や鳥取県などが越冬地になっているが、これらは極東ロシアから見れば西側だ。

 逆に、東側はどうなのだろうか?


北米にもオオワシ

オオワシはベーリング海を越えて、カナダや米国アラスカ州、マサチューセッツ州などに飛来した例がある。

 マサチューセッツ州は北米大陸の東側、北大西洋岸だ。繁殖地の極東ロシアとは、10万kmほども離れている。

もちろん稀有な例ではあるが、それだけになおさら、目撃者の目にはUMAビッグバードとして映ったのであろう。

米東部にオオワシ

 上の画像は2021年12月に、米国マサチューセッツ州に飛来したオオワシを、一目見ようと集まった人たちになる。

結論 オオワシ

 上記のとおり、オオワシはマサチューセッツ州にまで飛来しているのだから、同距離ほどのイリノイ州にも飛来していた可能性はある。

 ただ、イリノイの巨鳥の目撃情報のうち、2点(10才の少年をつかんで飛んだ巨鳥の首の周りは白い)は解決できないが…。

 以下のように解釈した。


10才の少年をつかんで飛んだ

巨鳥が少年につかみかかったのは真実だろうが、そのまま持ち上げて飛んだという証言は怪しい。

 巨鳥がつかみかかった勢いで、少年が転倒したのではないだろうか?


巨鳥の首の周りは白い

「巨鳥の首の周りはリング状に白くなっていた」という証言も怪しい。

 その証言は、約1万年前に絶滅したテラトルニスコンドルのイメージを、オーバーラップさせているだけではないだろうか?


上記のように考えれば、「ビッグバードの正体はオオワシ」という結論になる。

 なお、下の動画はサンダーバードやビッグバードではないが…。

 現生鳥類のオウギワシが、ナマケモノを木からひきはがして、つかんだまま飛び去る動画になる。

動画 オウギワシの狩り

Harpy Eagle Kills Sloth
Uploaded by RoyalPanthera

2025年1月18日 不思議なサイト管理人


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