水生人類 アクア説とは
⇓ アルディピテクス属の猿人
File:PanTroglodytesSmit.jpg
Author:Joseph Smit
Public domain
加工:不思議なサイト管理人
アクア説のアウトライン
アクア説を一言でいうと、「かつて、人類の祖先は水辺や水中で暮らしていた」というような提唱になる。
人類(ヒト)はオランウータン、ゴリラ、チンパンジーの3属とともに、サル目ヒト科に分類される近縁関係にあるが…。
ヒトだけが直立二足歩行をする、体毛が薄い、皮下脂肪が多い、言語能力をもつなどの異なった特徴をもっている。
上記のような特徴は、「人類の祖先には、水中で生活をしていた時期があったことから、他の3属とは異なる特徴が形成されたのではないか」と考えることが、アクア説のアウトラインになる。
上のように書くと、「人類の祖先は半魚人だったというのか」というようなツッコミもなりそうだが、そうではない。
ましてや、1954年に公開された映画「大アマゾンの半魚人」のような、エラやウロコのあるモンスターのイメージは微塵もない。
当サイトのアウトライン
「では、どのようなイメージになるのか」というと、冒頭の画像を約500万年前のアルディピテクス属の猿人だと思ってほしい。
場所はエチオピア·ダナキル山地域が、海水の流入によって孤立した島となり、食料となる木の実や根などは採り尽くしてしまったと仮定すると、以下のようなことが考えられる。
餓死寸前に追い込まれた猿人たちは、やむなく水中に入り、魚介類や水草などを食料として捕るようになったのではないか?
ヒョウなどの祖先となるネコ科動物は水が苦手なので、水中は逃げ隠れできる場所にもなったのではないか?
そのように考えると、水に入ることを躊躇(ちゅうちょ)していた猿人たちにも決心がつく。それが当サイトのアウトラインであり、冒頭のイメージ画像になる。
ただ、アクア説自体は仮説であり、一般的には否定される傾向にあるが、当サイトはアクア説肯定派として書いている。
また、アクア説は本来「水生類人猿仮説」であるが、当サイトはアルディピテクス属の猿人(初期人類)たちを祖として書いているので、「水生人類仮説」としている。
アルディピテクス属の 猿人たち
File:Map of the fossil sites of the earliest hominids (35.8-3.3M BP).svg
Author:Kameraad Pjotr
Blank map:Sting
CC BY-SA 3.0 DEED
前述の「アルディピテクス属の猿人たち」とは何なのか、このことについて先に触れてみたい。
最古の霊長類の化石
「最古の霊長類の化石遺跡の地図」の画像には、●印が6個あるので、上から順に書いていくと…。
1● Aegyptopithecus
エジプトピテクス
生息年代:約3800万年前 - 2950万年前
2● Sahelanthropus tchadensis
サヘラントロプス·チャデンシス
生息年代:約700万年前 - 680万年前
3● Ardipithecus kadabba
アルディピテクス·カダバ(カダバ猿人)
生息年代:約580万年前 - 520万年前
  Ardipithecus ramidus
アルディピテクス·ラミダス(ラミダス猿人)
生息年代:約440万年前
4● Kenyanthropus platyops
ケニアントロプス·プラティオプス
生息年代:約350万年前 - 320万年前
5● Orrorin
オロリン
生息年代:約610万年前 - 580万年前
6●
Proconsul
プロコンスル
生息年代:約2100万年前 - 1700万年前
アルディピテクス属の猿人たち
上記のうち、アクア説に関連するのは、3●アルディピテクス属の「カダバ猿人」と「ラミダス猿人」になる。
その理由は、化石はエチオピアのアファール低地から発見されているが、約500万年前に海水が流入した場所も、アファール低地になる。
しかも、カダバ猿人とラミダス猿人の化石のどちらもが、アワッシュ川中流域での発見になる。つまり、水辺で暮らしていた可能性が高まる。
また、カダバ猿人とラミダス猿人を合算した生息年代:約580万年前 - 440万年前にも注目したい。
その生息年代は、アファール低地に海水が流入した時期だとされる約500万年前を含んでいる。
【注】海水の流入時期には、約670万年前 - 540万年前などの諸説あるが、何れにしても年代が該当または僅差になるのは、アルディピテクス属の猿人たちになる。
アクア説のはじまり
⇓ 地図内の◣がアファール低地
File:EAfricaRift updated.gif
Author:USGS
Public domain
加工:不思議なサイト管理人
ここまでに、❶アクア説がはじまる年代❷場所❸当事者について、個別に書いてきたので、まとめてみたい。
アファール低地
まとめの前に、アファール低地について書いてみると…。
アファール盆地やアファール三角地帯とも呼ばれる。地図でいうと、ほぼ真ん中にある◣がアファール低地になる。
国でいうと、エリトリア、ジブチ、ソマリアの一部とエチオピア北東部で、その多くがダナキル砂漠になる。
アフレラ湖やカルム湖などの塩湖があり、かつては海水の流入があったことのエピデンスになっている。
まとめ
❶年代は、海水が流入したとされる約500万年前。❷場所は、海水が流入したエチオピア·アファール低地にあるダナキル山地域。❸当事者は、カダバ猿人 - ラミダス猿人たちになる。
◣アファール低地の中の▲Erta Ale(エルタ·アレ火山)は、エチオピア国内では最も活発な火山であり、ダナキル山地域に属する。
また、◣アファール低地から、カダバ猿人 - ラミダス猿人たちの化石が発見されている。
約500万年前に海水が流入
現在のエチオピアの北東部には、アファール低地(画像の◣)が広がっているが、海抜マイナス約90m - 120mという、世界屈指の低地でもある。
そのアファール低地は大地溝帯が形成していることから、火山活動や地殻変動などが続く不安定帯である。
そして、約500万年前には地殻変動によって、一帯に海水が流入したと推測されている。
そのため、「現在のダナキル山地域は、海水に囲まれたダナキル島として孤立し、そこにはカダバ猿人たちが取り残された」と考えることから、当サイトのアクア説がはじまる。
水中を選んだ理由
しかしながら、孤立した島内での食料確保には限界がある。
そうなると、魚介類や水草などを食料として捕るためや、ヒョウやライオンなどの祖先動物から逃れるために、水中に入ったのではないかと推測できるが…。
そのような行動変化を累積的に続けた場合、どのような進化がカダバ猿人たちに起こるのだろうか。
アクア説での進化
File:Tauchen mit Baby.jpg
Author:Schwimmkitz
CC BY-SA 4.0 DEED
前述のような行動変化を累積的に続けたことによって、カダバ猿人たちは、下記のような進化を遂げたと思われる。
1.潜水反射
「ベビースイミング中の母子」の画像を見ると…。潜水中の幼児は、嬉しそうな笑顔のように見える。
「なぜ、潜水できるんだ」「なぜ、息を止めれるんだ」「小さな身体には水圧は厳しいだろう」とか思うけれど、ヒトは水への適応力(潜水反射)をもっている。
たとえば、夏の海水浴。思わぬ深みに、ザブンと頭まで浸かったときには、誰もが無意識に息を止める。それも、潜水反射のひとつだ。
水中に対する、生命へのセーフティーネットが潜水反射であり、程度の差は大きいが、すべての哺乳類が備えている。
特に、潜水反射が強いのがクジラやイルカ、アザラシなどの水生哺乳類で、ヒトも強いほうだが、その差は歴然としている。
ヒトの潜水反射は強いほうということは…。やはり、カダバ猿人たちには、水辺や水中で暮らしていた時期があったのではないだろうか。
その一方で、「水生哺乳類との潜水反射の差は歴然としている」ということから、「水生適応の途中で、陸に戻ったからであろう」と推測できる。
2.直立二足歩行
下の画像はチンパンジーのナックルウォークだが、それに加えて、一時的な二足歩行もできる。
だが、直立二足歩行(脚と脊椎が垂直)ではない。膝と腰を曲げた二足歩行になる。直立二足歩行となると…、これはヒトにしかできない。
では、ヒトはどのようにして直立二足歩行を獲得したのだろうか。そのヒントは下の画像にある。
チンパンジーのナックルウォーク
上の画像のような、ナックルウォーク姿勢で水の中に入った場合には、せいぜい数十cmの深みにまでしか進めないだろうが…。
水の中で立ち上がって、二足歩行になった場合には、1m前後の深みにまで進めるだろう。
水の中に入った理由が採食のためであっても、捕食動物から逃げるためであっても、より深みにまで進んだほうが有利だ。
また、水中での浮力のサポートがあれば、陸上で行うよりも容易に、長時間の二足歩行が可能だ。
そのような行動を累積的に続けた結果が、完全な直立二足歩行の獲得につながるのであろう。
最古の直立二足歩行
初期人類(猿人、原人)のすべてが、直立二足歩行をしていたわけではない。
たとえば、約700万年前のトゥーマイ猿人(サヘラントロプス·チャデンシス)は、「直立二足歩行をしていた可能性がある」にとどまっている。
約580万年前 - 440万年前のカダバ猿人、ラミダス猿人たちにしても、「可能性がある」にとどまっているので、最古の直立二足歩行となると…。
タンザニア·ラエトリに足跡化石を残している、アファール猿人(アウストラロピテクス·アファレンシス)になるのだろうが、これにしても確定的ではない。
約360万年前の地層から発見されているが、短時間の直立二足歩行だったとする見解もあるし、チンパンジーのような屈曲歩行(膝と腰を曲げた二足歩行)だったとする見解もある。
「ルーシー(318万年前の化石)」で知られる、アファール猿人(約390万年前 - 290万年前)の化石は、その名のとおり、アファール低地から発見されている。
そこは、カダバ猿人やラミダス猿人たちと同じく、アワッシュ川流域での発見になると同時に、すべてが現生人類につながると考えられている。
【参考】
カダバ猿人、ラミダス猿人:アワッシュ川中流域
アファール猿人:アワッシュ川下流域
3.随意呼吸
上記「1.潜水反射」に関連するが、水に潜る前には大きく息を吸い、水中では息を止めたり、吐き出したりという呼吸のコントロール(随意呼吸)が必要になる。
ヒトとの遺伝子が99%一致するチンパンジーさえ、随意呼吸できないので、水の中に潜ることはできない。
4.言語能力
上記3の、随意呼吸ができるようになるということは、言語能力の下地ができたということにもなる。
たとえば、「あ~い~う~」と長く発声するのと、「あっ、いっ、うっ」と短く発声するのとでは、吐く息の量が違う。
つまり、呼吸をコントロール(随意呼吸)できることが、言語能力の絶対条件になる。
もちろん、ダナキル島のカダバ猿人たちが、言語を使用していたということではないが…。
カダバ猿人 - ラミダス猿人 - アファール猿人の順に取り残されていたとすれば、その進化のうちのどこかで、随意呼吸と言語能力の礎を築いたのであろう。
5.体毛と皮下脂肪
アクア説と書くと、どことなく怪しげで、突拍子もない異論のようにも思われそうだが、実例のある現実論でもある。
たとえば、クジラ類やカイギュウ類(ジュゴンやマナティ)、鰭脚類のアザラシやアシカ、オットセイ、セイウチなど…。
それらの祖先たちは陸生動物だったので、決して特別なことではない。
当サイト内でも、「ムカシクジラ」と「メガテリウム(オオナマケモノ)科」で、陸生動物が海洋へ進出したプロセスを書いている。
メガテリウム類の場合
メガテリウムの和名はオオナマケモノ。その名のとおり、現生のナマケモノの近縁属であり、地上性の絶滅巨大動物である。
一例として、メガテリウム科タラッソクヌス亜科の祖先種が、陸上から海洋へと進出したプロセスを、手短に書いてみると…。
下の画像は、約600万年前に出現したタラッソクヌス·ナタンスになる。
祖先種は、約800万年前に出現したタラッソクヌス·アンティクウスになるが、両種とも、海岸付近での海草の採食を主とする半水生で、水深1mほどしか潜らなかったようだ。
約400万年前に出現したThalassocnus carolomartiniになると、海洋適応の進化から、沖合まで出るようになったようだ。
半水生の祖先種の出現から約400万年後に、ようやく沖合まで出れるように進化したということになる。
進化のタイムスケールを一概に言うことはできないが、タラッソクヌス属やクジラ類の場合、我々が想像するような劇的な水生適応は、200万年間や300万年間では起きなかったようだ。
しかしながら、上のタラッソクヌス·ナタンスの画像を見る限りでは、長い体毛は喪失し、皮下脂肪が増えているようにも見える。
その変化は、水中への進出で体毛が薄くなり、冷たい水温から身を守るために皮下脂肪が多くなったのではないかと考えられる。
初期人類に言い換えれば、「水辺や水中で暮らしていた時期があったことから、体毛が薄くなる傾向と、皮下脂肪が多くなる傾向になった」と推測できる。
6.その他
ヒトの手には水掻きの痕跡がある、水中出産ができるなど、アクア説肯定派の管理人にはキリがないので、他は省略する。
ついに ダナキル島を脱出
⇓ Erta Ale(エルタ·アレ火山)
File:Erta Ale.jpg
Author:filippo_jean
CC BY-SA 2.0 DEED
約500万年前の地殻変動によって、海水が流入したアファール低地。広範囲への流入だったことは、アファール低地に塩湖が多いことからわかる。
前述のとおり、エチオピア北東部にはアフレラ湖やカルム湖がある。そして、ジブチにはアッサル湖、エチオピアとジブチの国境にはアッベ湖があり、いずれも塩湖になる。
画像のように、現在のエルタ·アレ火山(ダナキル山地域)の周囲はダナキル砂漠だが、海水流入時には孤立した島になっていたのであろう。
約500万年前に島内に取り残されたカダバ猿人と、その子孫たちには、水辺で暮らす適応進化を経て、陸地に戻るときがくる。
海水が退いた時期
諸説あるが、アファール低地から海水が退くまでには、約150万年間から300万年間もの期間を要したと考えられている。
150万年間なら、500万年前 - 150万年間 = 350万年前。
300万年間なら、500万年前 - 300万年間 = 200万年前。
上記より、海水が退いた時期は約350万年前から200万年前になるが、350万年前に突然、海水が一斉に退いたとは考えられない。
アファール低地内での高低差を考えて、海水が退くまでには、年代の5%ていどの誤差の許容範囲を設けたうえで、約350万年前と約200万年前の、どちらの場合も考えてみたい。
約350万年前の場合
アファール猿人
約500万年前のカダバ猿人は、ラミダス猿人を経て、アファール猿人(約390万年前 - 290万年前)に進化していた。
海水が退き、陸地にもどったアファール猿人たちの一部は、他地域へと拡散して行ったのだろう。
それが、約360万年前のタンザニア·ラエトリの足跡化石であり、約350万年前のケニア·ナイロビの化石になるのであろう。
上記は、誤差の許容範囲。
アファール猿人の進化
アファール猿人たちが、水辺で暮らした期間は約150万年間になるが、前述の半水生メガテリウム類を参考にすれば、祖先種のタラッソクヌス·アンティクウスと同様な期間になる。
恐らく、アファール猿人たちは主に陸上や水辺で暮らし、採食活動や外敵から逃げる際には、水深1mほどは潜れたのであろう。
前述のアクア説での進化(潜水反射や直立二足歩行の基礎など)の途中で陸地に戻ったことが、現在のヒトへの進化の基礎となったと思われる。
約200万年前の場合
ガルヒ猿人?
カダバ猿人 - ラミダス猿人 - アファール猿人の次はガルヒ猿人が続き、人類の直接の祖先だと考えられた時期もあったが…。
現在では、「ガルヒ猿人は傍系であり、人類の直接の祖先ではない。」とする方向にあるようだ。
ガルヒ猿人
アウストラロピテクス·ガルヒ
Australopithecus garhi
生息年代:約260万年前 - 250万年前
「では、アファール猿人の次は」となると…。アファール猿人の系統から枝分かれした猿人「?」になるのだろう(下図Ⓐ)。

作成:不思議なサイト管理人
管理人は2010年ごろまでは、上図Ⓑのような進化になると、信じて疑わなかったが…。
ガルヒ猿人の化石の発見(1996年)の浸透や、ホモ·ハビリスへの新知見(2007年)などから、現在ではⒷへの否定論さえあるぐらいだ。
他の見解も多々あるが、当サイトは上図Ⓐをもとにして、話を進めることにする。
セディバ猿人?
そうなると、上図Ⓐの「?は誰なのか」ということになるが、もしかしたら「?」には、セディバ猿人が入るのかもしれない。
セディバ猿人
アウストラロピテクス·セディバ
Australopithecus sediba
生息年代:約180万年前
ただ、セディバ猿人には、ホモ·ハビリスや、ホモ·エレクトスの祖先である可能性はあるものの、化石が発見された場所は南アフリカ共和国になる。
「海水が退いたアファール低地から、約200万年前に移動した」と考えたいところだが、セディバ猿人の化石はアファール低地からは発見されていない。
そうなると、やはり「?は、?のまま」で話を進めて、アファール低地からの新たな化石の発見に期待したい。
不明な猿人?
その「?猿人」までが、水辺で暮らしていた期間を約300万年間だとすれば、半水生メガテリウム類でいうと、祖先種の次の種であるタラッソクヌス·ナタンスと同様な期間になる。
そう考えると、「?猿人」たちも主に陸上や水辺で暮らし、危険を感じたときには、水深1mほどは潜れたのであろう。
約300万年間の水辺での暮らしでは、いかにも半水生哺乳類というような姿にはならないだろうが…。
潜水反射や直立二足歩行。それに伴う両腕の自由や随意呼吸、皮下脂肪など、現生人類につながる進化を得た可能性は高い。
「?猿人」とほぼ同時期になるだろうガルヒ猿人たちは、簡単な石器をつくり、その石器で大型哺乳類を捕食していた。
そして、水辺での進化を得た「?猿人」には、ガルヒ猿人以上の進化を見込める。
水辺での進化の度合いによっては、「?猿人」ではなく、「?原人」になっていたのかもしれない。
2025年1月1日 不思議なサイト管理人
参考書籍 · 参考サイト
エレイン・モーガン: 水界の類人猿から進化した人間 | TED Talk人類進化論アクア説1
ウェルビーイングを向上させる能動的被服(PDF)
トゥーマイはやはりヒトだった〜日経サイエンス2013年8月号より - 日経サイエンス
Aquatic Ape Theory | The Aquatic Ape
Human Evolution in the Sea at Bioko
ラミダスからヘルトまで
QRコード展示解説「アウストラロピテクスの足跡化石」
1.先史時代の世界(人類の起源・移動地図・年表) - 比較ジェンダー史研究会
哺乳類のダイビングリフレクションとフリーダイビング(無呼吸)
セディバ猿人、ヒト属の祖先か猿人か | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト
ホモ・ハビリス - Wikipedia